偉     人     伝

[戻る]  [TOP]  [行く]  [遊ぶ]  [知る]     [メニュー]  [他の作品]

猪   俣   公   章

 幼きころ作曲の才能に目覚め、その後も夢は消えることなく増すばかり、古賀政男に師事し作曲家を目指す。
 森進一へデビュー曲「女のためいき」や、「港町ブルース」「おふくろさん」「冬の旅」などの大ヒット曲を次々と提供する。
 すでに著名な歌手たちにも、五木ひろしに「千曲川」、内山田洋:クール・ファイブに「噂の女」などの名曲を提供している。
 事実上の芸能界追放となり、借金返済や病気に苦しめられていた水原弘に「君こそわが命」を提供し、奇跡のカムバックをさせた。
 自ら発掘した坂本冬美、マルシアを、自宅に住まわせて育て上げた。
 歌手だけでなく、里村龍一や冬樹かずみなど作詞・作曲家の育成にも尽力した。
 晩年は、酒が大好きで寂しがりやだったためか、毎晩が宴会だったという。
 従来の演歌の領域を超越し、新風を巻き起こしたメロディは2千曲を超え、その後の演歌界に刺激的な影響を与えた。

昭和13(1938)年

猪俣公章の生誕の地

 4月11日
 会津坂下町にて生まれる
 猪俣 公章 (いのまた こうしょう)。
 本名は同じ字で( ― きみあき)。


昭和24(1949)年

 小学校5年生になると作曲に目覚め、没頭していく。

昭和29(1954)年

 開成高校に入学する。

昭和32(1957)年

 日本大学芸術学部音楽科へ進学する。
 在学中からバンドマンに熱中していたという。
 卒業後、作曲家を目指し、古賀政男に師事する。

昭和39(1964)年

 「僕の手でよかったら」で作曲家としてデビューする。

昭和41(1966)年

 ビクター専属となり、本格的な作曲活動を開始する。
 森進一のデビュー曲 (シングル) にして大ヒットとなった「女のためいき」を作曲し、作曲家として全国的に知られるようになる。
 その後も森進一へ、「港町ブルース」「おふくろさん」などの名曲を提供し続ける。

  作曲/女のためいき  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/東京みれん   歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/女のなみだ雨  歌手/森進一  作詞/吉川静夫

 ≪発売≫ 6月「女のためいき/<恋に泣きたい> ビクター」
      10月「東京みれん/女のなみだ雨   ビクター」

昭和42(1967)年

 水原弘のマネージャー/神林義忠 (後に演歌界のドンと称される) は、再起させたいと猪俣に作曲を懇願する。
 当時、水原弘は借金や病気なども抱え酒に溺れて、凋落の一途をたどっていた。
 熱意にほだされ渾身の力を振り絞って「君こそわが命」を作曲、みごと再起させた。
 当時、水原弘の復活は“奇跡のカムバック”とまで称賛され、猪俣自身も本格派作曲家として不動の地位を得る。

  作曲/女の波止場   歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/女ですもの   歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/君こそわが命   歌手/水原弘  作詞/川内康範
    ※他に、歌手/杉良太郎 [平成18(2006)年、テイチクレコード]
        歌手/氷川きよし [平成25(2013)年、日本コロムビア)]
  作曲/沈黙のブルース  歌手/水原弘  作詞/川内康範
  作曲/女の酒場  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/他国の女  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/女の岬    歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/女のギター  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/母恋い人生  歌手/森進一  作詞/吉川静夫

 ≪発売≫ 1月「女の波止場/女ですもの  ビクター」
      2月「君こそわが命/沈黙のブルース  東芝音楽工業」
      4月「女の酒場/他国の女  ビクター」
      7月「女の岬/女のギター  ビクター」
      9月「<命かれても>/母恋い人生  ビクター」

 ≪受賞≫ 水原弘/君こそわが命 (第9回日本レコード大賞/歌唱賞)
 ≪紅白≫ 水原弘/君こそわが命 (第18回NHK紅白歌合戦)

昭和43(1968)年

  作曲/湯の町の女  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/涙をふいて  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/ひとり酒場で  歌手/森進一  作詞/吉川静夫
  作曲/神戸の夜    歌手/森進一  作詞/吉川静夫

 ≪発売≫ 2月「湯の町の女/涙をふいて  ビクター」
      7月「ひとり酒場で/神戸の夜  ビクター」

昭和44(1969)年

 函館市から鹿児島県枕崎市までの港町が登場する「港町ブルース」が発売され、2週間ほどでオリコンチャートのベストテンに初登場すると5週間にわたり第1位となる。
 売上枚数は250万枚にも達し、森進一のシングル盤で最高の売上を記録した。
 平成12(2000)年、気仙沼市内の港ふれあい公園に歌碑が建立された。
 すでに猪俣公章は亡くなっており、除幕式には森新一が参加している。

  作曲/港町ブルース  歌手/森進一  作詞/深津武志
    ※他に、歌手/西田佐知子 [平成19(2007)年、ユニバーサルミュージック]
        歌手/ザ・ピーナッツ [平成20(2008)年、渡辺音楽出版]
        歌手/三橋美智也 [平成22(2010)年、キングレコード]
        歌手/藤圭子 [平成22(2010)年、ソニー・ミュージックダイレクト]
  作曲/女の四季    歌手/森進一  作詞/丹古晴巳
  作曲/女のワルツ  歌手/森進一  作詞/山口洋子
  作曲/気にかかる  歌手/園まり  作詞/川内康範

 ≪発売≫ 4月「港町ブルース/女の四季  ビクター」
      7月「<おんな>/女のワルツ  ビクター」
      10月「会津の女/<桧原湖哀歌>  キングレコード」
         《 会津の女の歌手は、春日八郎
      11月「気にかかる/これが愛なのね  日本ポリドール」

 ≪受賞≫ 森進一/港町ブルース (第11回日本レコード大賞/最優秀歌唱賞)
      森進一/港町ブルース (第2回日本有線大賞)
 ≪紅白≫ 森進一/港町ブルース (第20回NHK紅白歌合戦の白組トリ)

昭和45(1970)年

 新人の藤圭子に「女のブルース」を提供、圭子2枚目シングルであったが初のオリコンチャート1位となり、ミリオンセラー ((公称110万枚) を達成した。
 内山田洋とクール・ファイブの「噂の女」も50万枚を超えるヒットとなり、森進一の「望郷」もオリコンチャート1位となるなど、次々に名曲を世に出す。

  作曲/この世を花にするために  歌手/橋幸夫  作詞/川内康範
  作曲/この道          歌手/橋幸夫  作詞/川内康範
  作曲/花と炎  歌手/美空\ひばり  作詞/川内康範
  作曲/恋ひとすじ   歌手/森進一  作詞/藤田まさと
  作曲/夜のこぼれ花  歌手/森進一  作詞/藤田まさと
  作曲/女のブルース  歌手/藤圭子  作詞/石坂まさを
  作曲/噂の女  歌手/内山田洋とクール・ファイブ  作詞/ 山口洋子
    ※他に、歌手/前川清 [平成14(2002)年、ミュージックグリッド]
               [平成14(2002)年・平成2(2012)年、テイチクエンタテインメント]
        歌手/宮本弘美 [平成19(2007)年、ニューセンチュリーレコード]
  作曲/望郷      歌手/森進一  作詞/橋本淳
  作曲/悲哀(かなしみ)のワルツ  歌手/森進一  作詞/鳥井実

 ≪発売≫ 1月「この世を花にするために/この道  ビクター」
      1月「花と炎/<人生一路>  日本コロムビア」
      2月「恋ひとすじ/夜のこぼれ花  ビクター」
      2月「女のブルース/<あなた任せのブルース>  ビクター」
      7月「噂の女/<だまって行かないで> 日本ビクター (RCA)」
      12月「望郷/悲哀のワルツ  ビクター」

 ≪受賞≫ 第3回日本有線大賞  内山田洋とクール・ファイブ/噂の女

昭和46(1971)年

 「おふくろさん」は、アルバムの中の一曲をシングル盤にカットして大ヒットとなる。
 富士写真フイルムの「写ルンです」のCMにも使用される。
 平成11年(1999)年、森進一の母の故郷である甑島 (下甑島の最南端/手打地区) に歌碑が建立された。

  作曲/おふくろさん  歌手/森進一  作詞/川内康範
    ※他に、歌手/シャ乱Q [平成9(1997)年、ソニー・ミュージックエンタテインメント]
        歌手/美空ひばり [平成13(2001)年、日本コロムビア]
        歌手/天童よしみ [平成21(2009)年、テイチクエンタテインメント]
        歌手/globe [平成17(2005)年]   など
  作曲/港町 歌手/都はるみ  作詞/石本美由起
  作曲/故郷は地球  歌手/柴俊夫,ハニーナイツ  作詞/佐々木守
    ※特撮テレビ番組「シルバー仮面」の主題歌
  作曲/悲恋  歌手/森進一  作詞/阿久悠

 ≪発売≫ 5月「おふくろさん/<小鳥と少年>  ビクター」
      10月「港町/別れの棧橋  日本コロムビア」
      11月「故郷は地球  東芝音工」
      12月「<流れのブルース>/悲恋  ビクター」

 ≪受賞≫ 森進一/おふくろさん (第13回日本レコード大賞/最優秀歌唱賞)
 ≪紅白≫ 森進一/おふくろさん (第22回NHK紅白歌合戦の大トリ)

昭和47(1972)年

 藤圭子のヒット曲「京都から博多まで」の続編盤として、2年後に「私は京都へ帰ります」がリリースされている。

  作曲/京都から博多まで  歌手/藤圭子  作詞/阿久悠
    ※他に、歌手/渚ゆう子 [平成7(1995)年、EMI MUSIC JAPAN]
        歌手/坂本冬美 [平成16(2004)年、EMI MUSIC JAPAN]
        歌手/因幡晃 [平成21(2009)年、NAYUTAWAVE RECORDS]
        歌手/あさみちゆき [平成(2009)年、テイチクエンタテインメント]
        歌手/八代亜紀 [平成(2013)年、テイチクエンタテイメント]
  作曲/街の子       歌手/藤圭子  作詞/阿久悠
  作曲/波止場町   歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/夏子ひとり  歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/別れの旅  歌手/藤圭子  作詞/阿久悠
  作曲/長崎の恋は悲しい  歌手/都はるみ  作詞/石本美由起
  作曲/おんなの海峡  歌手/都はるみ  作詞/石本美由起
  作曲/さよなら電話  歌手/都はるみ  作詞/石本美由起
  作曲/放浪船(さすらいぶね)  歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/渡り鳥いつ帰る    歌手/北島三郎  作詞/阿久悠
  作曲/肩に二月の雪が舞う  歌手/北島三郎  作詞/阿久悠

 ≪発売≫ 1月「京都から博多まで/街の子  ビクター (RCA)」
      4月「波止場町/夏子ひとり  ビクター音楽産業
      5月「別れの旅/哀別  ソニー・ミュージックダイレクト」
      7月「長崎の恋は悲しい/港で逢いたい  日本コロムビア」
      10月「おんなの海峡/さよなら電話  日本コロムビア」
      10月「放浪船(さすらいぶね)/求愛  ビクター音楽産」
      12月「渡り鳥いつ帰る/肩に二月の雪が舞う  クラウン」

 ≪紅白≫ 放浪船/森進一
      藤圭子/京都から博多まで
      都はるみ/おんなの海峡 (第23回NHK紅白歌合戦)

昭和48(1973)年

  作曲/かくれんぼ  歌手/石川さゆり  作詞/山上路夫
  作曲/津軽の里   歌手/石川さゆり  作詞/山上路夫
  作曲/くちべに怨歌  歌手/森進一  作詞/青山五平
  作曲/郷愁      歌手/森進一  作詞/橋本淳
  作曲/青い月夜の散歩道   歌手/石川さゆり  作詞/山上路夫
  作曲/あなたと私の村祭り  歌手/石川さゆり  作詞/山上路夫
  作曲/冬の旅    歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/見知らぬ女  歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/恋の雪割草  歌手/藤圭子  作詞/山口洋子

 ≪発売≫ 3月「かくれんぼ/津軽の里  日本コロムビア」
      6月「くちべに怨歌/郷愁  ビクター音楽産業」
      8月「青い月夜の散歩道/あなたと私の村祭り  日本コロムビア」
      10月「冬の旅/見知らぬ女  ビクター音楽産業」
      11月「恋の雪割草/始発  ビクター音楽産業」

 ≪紅白≫ 森進一/冬の旅 (第24回NHK紅白歌合戦)
      水原弘/君こそわが命

昭和49(1974)年

 「今夜かしら明日かしら」で日本デビューをしたが不発に終わっていたテレサ・テンに「空港」を提供し大ヒットとなり、日本でもトップ歌手の仲間入りを果たす。
 2年前にヒットした「京都から博多まで 」の続編である「私は京都へ帰ります」は、作詞の担当を山口洋子に変更されている。

  作曲/さらば友よ  歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/妹よ     歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/空港      歌手/テレサ・テン  作詞/山上路夫
    ※他に、歌手/中森明菜 [平成19(2007)年、ユニバーサルシグマ]
  作曲/はぐれた小鳩  歌手/テレサ・テン  作詞/山上路夫
  作曲/私は京都へ帰ります  歌手/藤圭子  作詞/山口洋子
  作曲/北航路  歌手/森進一  作詞/阿久悠

 ≪発売≫ 4月「さらば友よ/妹よ  ビクター音楽産業」
      7月「空港/はぐれた小鳩  ポリドール・レコード」
      7月「私は京都へ帰ります/雨の仙台  ビクター音楽産業」
      9月「北航路/<流浪の詩>  ビクター音楽産業」

 ≪受賞≫ テレサ・テン/空港 (第16日本レコード大賞/新人賞)

昭和50(1975)年

 当初「千曲川」は、新人/川中美幸の歌として星野哲郎の歌詞に作曲したが、曲を聴いた作詞家/山口洋子の熱望により、五木ひろしへ提供された。
 「千曲川」は大ヒットし、五木ひろしの念願であった紅白歌合戦のトリとなった。

  作曲/さらばハイセイコー    歌手/増沢末夫  作詞/小坂巖
  作曲/ハイセイコーよ元気かい  歌手/増沢末夫  作詞/寺山修司
  作曲/あなたの噂  歌手/藤圭子  作詞/山口洋子
  作曲/千曲川    歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子
  作曲/愛のいのち  歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子
  作曲/面影の女       歌手/チャダ  作詞/山口洋子
  作曲/やもめのジョナサン  歌手/チャダ  作詞/山口洋子
  作曲/ふたりの旅路  歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子
  作曲/約束      歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子

 ≪発売≫ 1月「さらばハイセイコー/[レース実況]  ポリドール」
      1月「あなたの噂/銀座のお恵ちゃん  ビクター音楽産業」
      5月「千曲川/愛のいのち  徳間音楽工業」
      8月「面影の女/やもめのジョナサン  ビクター音楽産業」
      9月「ふたりの旅路/約束  徳間音楽工業」

 ≪受賞≫ 五木ひろし/千曲川 (第17日本レコード大賞/最優秀歌唱賞)
 ≪紅白≫ 五木ひろし/千曲川 (第26回NHK紅白歌合戦、初のトリ)

昭和51(1976)年

 「森進一の新曲歌詞募集」に応募し優勝した才能を見抜き、中学校を出て漁師をしていた里村龍一をスカウトし弟子入りさせている。
 歌手だけでなく、作詞家や作曲家も育てている。

  作曲/愛の始発  歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子
  作曲/恋は淡雪  歌手/五木ひろし  作詞/山口洋子
  作曲/大阪ラプソディー  歌手/海原千里・万里  作詞/山上路夫
  作曲/天満エレジー    歌手/海原千里・万里  作詞/山上路夫
  作曲/峰子のマドロスさん  歌手/西川峰子  作詞/山口洋子
  作曲/さざんか     歌手/森進一  作詞/中山大三郎
  作曲/いのち燃やして  歌手/森進一  作詞/中山大三郎

 ≪発売≫ 2月「愛の始発/恋は淡雪  徳間音楽工業」
      2月「大阪ラプソディー/天満エレジー  ビクターレコード」
      7月「峰子のマドロスさん/東京へ行っちゃった  ビクター音楽産業」
      8月「さざんか/いのち燃やして  ビクター音楽産業」

 ≪紅白≫ 西川峰子/峰子のマドロスさん
      森進一/さざんか
      五木ひろし/愛の始発 (第27回NHK紅白歌合戦、2年連続のトリ)

昭和53(1978)年

  作曲/雪よおまえは  歌手/森進一  作詞/喜多条恵
  作曲/しあわせ挽歌  歌手/森進一  作詞/幸村リウ

 ≪発売≫ 9月「雪よおまえは/しあわせ挽歌  ビクター音楽産業」

昭和55(1980)年

  作曲/涙きらり    歌手/森進一  作詞/阿久悠
  作曲/ひとりぐらし  歌手/森進一  作詞/阿久悠

 ≪発売≫ 5月「涙きらり/ひとりぐらし  ビクター音楽産業」

昭和56(1981)年

  作曲/命あたえて   歌手/森進一  作詞/川内康範
  作曲/愛と憎しみと  歌手/森進一  作詞/川内康範
  作曲/それは恋  歌手/森進一  作詞/秋元松代
       ※舞台作品「近松心中物語」の主題歌
  作曲/夢人形   歌手/森進一  作詞/石坂まさを

 ≪発売≫ 9月「命あたえて/愛と憎しみと  ビクター音楽産業」
      11月「それは恋/夢人形  ビクター音楽産業」
 ≪紅白≫ 森進一/命あたえて (第32回NHK紅白歌合戦)

昭和58(1983)年

  作曲/東京かくれんぼ  歌手/石川さゆり  作詞/なかにし礼

 ≪発売≫ 11月「東京かくれんぼ  日本コロンビア」

昭和60(1985)年

  作曲/女もよう  歌手/森進一  作詞/結城忍

 ≪発売≫ 9月「女もよう/<榾火>  ビクター音楽産業」
 ≪紅白≫ 森進一/女もよう (第36回NHK紅白歌合戦)

昭和61(1986)年

 前年のTBS歌謡選手権ブラジル大会で準優勝し、東京「ワールドチャンピオン大会」に出場するために来日していた日系3世のマルシアと、審査員として出会う
 マルシアの才能を見抜き、帰国を1ヶ月ほど延ばして、レッスンを授ける。
 また、NHK勝ち抜き歌謡天国の歌唱指導をしていた時、和歌山大会で優勝した坂本冬美と出会い、歌手を目指すため上京を勧めている。

  作曲/湯の町別れうた  歌手/森進一  作詞/中山大三郎

 ≪発売≫ 7月「<ゆうすげの恋>/湯の町別れうた  ビクター音楽産業」

昭和62(1987)年

 自宅で弟子修業させていた坂本冬美を、満を持して「あばれ太鼓」でデビューさせる。
 狙い通り、いきなり80万枚を超える大ヒットとなる。

  作曲/あばれ太鼓   歌手/坂本冬美  作詞/たかたかし
  作曲/あじさい酒場  歌手/坂本冬美  作詞/里村龍一

 ≪発売≫ 3月「あばれ太鼓/あじさい酒場  東芝EMI」

昭和63(1988)年

 デビューして2年目の坂本冬美は、前年の「あばれ太鼓」に続き「祝い酒」も大ヒットし、紅白歌合戦に初出場が決まった。
 逸話として、出場報告で猪俣宅を訪れると、
  「本番で泣くな、歌手が泣いたら歌手でなくなる」
と厳命された。
 本番では、なんとか泣かずに済ませたが、楽屋に戻る途中、感極まって号泣した。
 自宅で酒を飲みつつテレビから目を離さず見ていた猪俣は、
  「ヨシ、ヨシ」
と何度も つぶやきながら、涙を流していたという。
 日頃、弟子は皆な可愛いといっていたが、小間使いのようにコキ使っていた冬美への想い入れは格別だったようである。

  作曲/祝い酒     歌手/坂本冬美  作詞/たかたかし
  作曲/帰りの連絡船  歌手/坂本冬美  作詞/池田充男

 ≪発売≫ 4月「祝い酒/帰りの連絡船  東芝EMI」

 ≪紅白≫ 坂本冬美/祝い酒 (第39回NHK紅白歌合戦) 初出場

平成元(1989)年

 マルシアが「ふりむけばヨコハマ」でデビューする。
 猪俣が見抜いたとおり、15万枚を超えるヒットとなり、新人賞の各賞を総ナメする。

  作曲/ふりむけばヨコハマ  歌手/マルシア  作詞/たきのえいじ
  作曲/やがて離愁      歌手/マルシア  作詞/山上路夫
  作曲/男の情話  歌手/坂本冬美  作詞/松井由利夫
  作曲/艶花恋   歌手/坂本冬美  作詞/池田充男
  作曲/うさぎ   歌手/森進一   作詞/保富康午
  作曲/木曽の恋唄  歌手/藤あや子  作詞/たきのえいじ

 ≪発売≫ 1月「ふりむけばヨコハマ/やがて離愁  日本コロムビア」
      3月「男の情話/艶花恋  東芝EMI」
      8月「うさぎ/<雨>  ビクター音楽産業」
      9月「<おんな>/木曽の恋唄 ソニー・ミュージックエンタテインメント」

 ≪受賞≫ マルシア/ふりむけばヨコハマ 第31回日本レコード大賞/最優秀新人賞
      第9回日本作曲大賞
 ≪紅白≫ 坂本冬美/男の情話 (第40回NHK紅白歌合戦)

平成2(1990)年

  作曲/雨あがり  歌手/坂本冬美  作詞/麻こよみ
    ※テレビ東京「付き馬おえん事件帳」の主題歌
  作曲/冬の蝶   歌手/坂本冬美  作詞/石原信一
  作曲/抱きしめて    歌手/マルシア  作詞/蘭香
  作曲/夢色しのび逢い  歌手/マルシア  作詞/ちあき哲也
  作曲/能登はいらんかいね  歌手/坂本冬美  作詞/岸本克己
  作曲/浜っ娘一代      歌手/坂本冬美  作詞/石原信一

 ≪発売≫ 1月「雨あがり/冬の蝶  東芝EMI」
      2月「抱きしめて/夢色しのび逢い  日本コロムビア」
      5月「能登はいらんかいね/浜っ娘一代  東芝EMI」

 ≪紅白≫ 坂本冬美/能登はいらんかいね (第41回NHK紅白歌合戦)
      森進一/おふくろさん

平成3(1991)年

 19歳年下の一般女性と結婚、1子をもうける。

  作曲/待ちわびて哀愁   歌手/マルシア  作詞/たきのえいじ
  作曲/ラスト・ヒロイン  歌手/マルシア  作詞/大津あきら
  作曲/火の国の女  歌手/坂本冬美   作詞/たかたかし
  作曲/男の艶歌   歌手/坂本冬美   作詞/たかたかし
  作曲/港唄     歌手/石川さゆり  作詞/たかたかし
  作曲/みおつくし  歌手/石川さゆり  作詞/たかたかし

 ≪発売≫ 1月「待ちわびて哀愁/ラスト・ヒロイン  日本コロムビア」
      4月「火の国の女/男の艶歌  東芝EMI」
      10月「港唄/みおつくし  日本コロムビア」

 ≪紅白≫ 坂本冬美/火の国の女
      石川さゆり/港唄 (第42回NHK紅白歌合戦)

平成4(1992)年

  作曲/男惚れ        歌手/坂本冬美  作詞/星野哲郎
  作曲/ひとり寝女の泣き枕  歌手/坂本冬美  作詞/星野哲郎
  作曲/あきらめてバイバイ  歌手/マルシア  作詞/伊藤薫
  作曲/あなたに帰りたい   歌手/マルシア  作詞/渡部なつみ

 ≪発売≫ 4月「男惚れ/ひとり寝女の泣き枕  東芝EMI」
      9月「あきらめてバイバイ/あなたに帰りたい  日本コロムビア」

 ≪受賞≫ 第8回1991年度/藤田まさと賞  火の国の女
 ≪紅白≫ 坂本冬美/男惚れ (第43回NHK紅白歌合戦)

平成5(1993)年

  作曲/船で帰るあなた  歌手/坂本冬美  作詞/池田充男
  作曲/角番 (かどばん)  歌手/坂本冬美  作詞/麻こよみ
    ※他に、歌手/谷本知美 [平成14(2002)年、EMIミュージック・ジャパン]
  作曲/恋ざんげ    歌手/伍代夏子  作詞/吉岡治
  作曲/はまなす恋唄  歌手/伍代夏子  作詞/吉岡治
  作曲/夢をかざって  歌手/森進一   作詞/里村龍一
  作曲/おもいで夜景  歌手/森進一

 ≪発売≫ 2月「船で帰るあなた/角番 東芝EMI」
      4月「恋ざんげ/はまなす恋唄  ソニー・ミュージックレコーズ」
      8月「夢をかざって/おもいで夜景  ビクターエンタテインメント」

 6月10日
 肺がんのため死去。
 満55歳、まだ早すぎる生涯を終えた。

 年末の第44回NHK紅白歌合戦では、
猪俣公章の墓     森進一が 「さらば友よ
    都はるみが「おんなの海峡
を熱唱し、輝かしい功績を残し急逝した恩人を偲んだ。

 今は故郷に戻り、法界寺で両親とともに眠っている。

 その後も、新たなアルバムが毎年 発売され続けており、NHK紅白歌合戦でも歌い継がれている。
    平成 6(1994)年/第45回 おふくろさん/森進一
    平成 7(1995)年/第46回 あばれ太鼓/坂本冬美
    平成 9(1997)年/第48回 千曲川/五木ひろし
    平成10(1998)年/第49回 冬の旅/森進一
    平成11(1999)年/第50回 おふくろさん/森進一
      〜〜〜

他の作品については、こちら。
[戻る]  [TOP]  [行く]  [遊ぶ]  [知る]     [メニュー]  [他の作品]